ファッション EC 関連記事
通販新聞の記事「衣料品EC上場3社、前期は各社計画未達に」からの抜粋です。
スタートトゥデイ (ゾゾタウン ZOZOTOWN)
ファッション商材の単価下落やセール販売比率の高まりが影響
- 2012年3月期のゾゾタウン ZOZOTOWN の売上 / 商品取扱高は818億円、上場後初めて計画 (840億円) に届かなかった。販売単価の下落やセール販売比率の上昇が影響したが、依然として成長率は高く前期比43.2%増、営業利益も31.7%増の約77億円に拡大した。
- 商品取扱高は大手百貨店の店頭と比べても見劣りしない数字で、大丸の売上一番店である心斎橋店の2012年2月期の売上840億円に迫る勢い。
- 百貨店やファッションビルなどでセールの早期化が定着し、ゾゾタウンもそれに合わせてセールを開催することで正価販売の期間が短くなり、前期のセール品販売比率は25.8%とその前期から約2%増加。通年の販売単価は6,865円と想定を下回り、年間154万人の新客を獲得したにもかかわらず、商品取扱高は計画に未達だった。
- 2012年5月からは人気ブランドの予約商品を掲載した「ゾゾカタログ」 (約50万部) を開始。まずは半年間毎月発刊することで予約販売比率を全体の2割に高めたい意向。
【2012年8月30日 追記】
スタートトゥデイは、2012年8月に「ゾゾカタログ」の発行を休止すると発表しました。広報発表による休止の理由は、「ユーザーにとってカタログは予約するためのものではなく、見て楽しむものだったようで直接的な販売には結びつかなかった」とのことです。
マガシーク
利益改善を狙って取引先ブランドの入れ替えを実施し増収増益、テレビCMにも力を入れる
- 2012年3月期のマガシークの売上高は前期比9.1%増の約97億円、営業利益は同比39.8%増の2億円強と増収増益。
- 利益改善を狙って取引先ブランドの入れ替えを実施、30-40代女性向けブランドやセレクトショップを誘致する一方、低価格ブランドの取り扱いを絞った結果、ピーク時1,140ブランド (2010年3月末) あったブランド数は2012年3月末に753に縮小し販売単価の増加に努めた。
- 2012年1月のセール期に初となるテレビCMを札幌、福岡、名古屋の3エリアで放映。エリアで差があるものの、受注ベースで5割増-2倍の反応があった。
- 20-40代男女のブランド認知度が9%弱だったため、今期はテレビCMを中心にプロモーションを徹底する予定。まずは認知度15%を目標に、前期4億円の広告費を6億円弱に増やし、今夏のセール時期に東京、大阪などで実施。
スタイライフ
通販雑誌の不調響くがインターネット部門は黒字化、今期は4割増収を計画
- スタイライフは通販雑誌やコスメ事業の不調が響き、2012年3月期の連結業績は売上高が前期比5.2%減の80億円強、営業損失が4億円強と2期連続の赤字だった。一方でファッション分野におけるインターネット部門の売上は前期比15.3%増の約49億円で当該部門は初めて黒字化した。
- 不振が続く通販雑誌の一時休刊を決めた他、コスメ事業を手がける子会社ハイマックスをファッションン分野とのシナジーが薄く早期の採算改善も難しいとして2012年3月にスクロールへと売却した。好調なファッションECに資源を集中して再浮上を図る。
- 事業基盤の強化に向けては2012年5月に楽天と業務・資本提携を締結、楽天はスタイライフ株式の過半を保有していたサマンサタバサグループから32.5%を取得して筆頭株主となった (サマンサタバサグループの株式比率は18.7%)。
- インターネット部門は今期 (2013年3月期) 4割近い増収となる約68億円を計画、また、連結業績で3期振りの黒字化を目指すだけに、楽天とのスピーディーな相互送客の仕組み作りやプロモーション面の強化などが求められる。
出典 : 衣料品EC上場3社、前期は各社計画未達に – 通販新聞