台湾から中国大陸EC市場への参入について

台湾の大手決済代行事業者藍新科技 NEWEBが、台湾から中国大陸への越境ECについて積極的に取り組んでいます。藍新科技は、中国の大手BtoCECモール京東商城内で台湾の商品を扱う京東商城 台灣館での決済機能を中国 …

 

台湾から中国大陸EC市場への参入について

 

インターネットコムのコラムによると、台湾の大手決済代行事業者 “藍新科技” (NEWEB) が、台湾から中国大陸への越境取引 (越境EC) について積極的に取り組んでいます。

藍新科技は、今年 (2012年) の6月、中国の大手BtoC ECモール “京東商城” (360buy.com) 内で台湾の商品を扱う “京東商城 台灣館” での決済機能を中国最大の個人向け決済プラットフォームの “支付宝” (Alipay) と提携して提供すると発表しました。

消費者である大陸ユーザーはいつも通り中国元を支付宝で支払い、その後、支付宝と藍新科技間で決済を行い、台湾のEC事業者には藍新科技より台湾ドルで支払われます。

2010年に中国と台湾間で締結した ECFA (中台経済協力枠組協定) に基づく関税引き下げも段階的に施行されてきており、越境取引での問題点とされる決済と物流の敷居が下がってきています。

それでは、日本企業にとってこの状況はどのように関連するのでしょうか? 参照したコラムによると、

藍新科技が越境取引に積極的に取り組むことは、日本企業が中国大陸向けに商品を販売する際、台湾を決済や物流面で活用する可能性が拡がるという点

に触れてます。

ただ、日本にも既にいくつか支付宝決済の導入やBtoC ECモール “天猫” (Tmall) 出店を支援し、売上分を日本円で受け取れるサービスがあります。

台湾が中国大陸市場への進出のハブとなることの決定的な利点は正直なところまだありませんが、一つの可能性として、台湾のハブ化は具現化して来ていると言えます。

 

【2012/11/22 追記】
人民網日本語版によると、中国大陸のEC事業者も台湾市場の発展を重視しているようです。”淘宝網” (タオバオ) 海外事業部総監が以下のコメントを表明しています。

タオバオ台湾のユーザー数は50万人を突破した。今年上半期、当社の台湾ユーザーによる取引額が、約50%増加した。当社は将来的に台湾金融機関および物流業者との提携を拡大し、台湾の消費者に対してより便利な決済・物流を提供する。またタオバオ台湾商盟を通じ、台湾の事業者の大陸市場開拓を促す。

 

出典 :
台湾が期待する中国向けの EC ビジネス – インターネットコム
台湾EC事業者 大陸市場進出に意欲的 – 人民網日本語版

 

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