マレーシアにおけるモバイルコマース事情について、THE BRIDGE の記事からの抜粋をもとにまとめました。
モバイル・デスクトップ インターネットアクセス数比率
「StatCounter によると、マレーシアでのモバイル (インターネット) 使用率は2012年5月から2013年5月にかけて10%から20%に増加、つまり、1年以内にほぼ倍増」している状況ですが、まだデスクトップが8割を占めている状況です。
スマートフォン普及率
「マレーシアはおよそ137%と比較的高い携帯電話普及率を誇る国」ですが、Nielsenによると、「2012年のマレーシアのスマートフォン普及率は27%」、また、McCannは、「マレーシアの全人口のうち、ほぼ60%が (2013年から) 2年以内にスマートフォンを所有することになる」と発表しています。
GoogleのOur Mobile Planetでは、2013年のマレーシアでのスマートフォン普及率は35%とあります。2013年時点で3割ほどの普及率というのは、アジア圏では高くもなく低くもない比率です。
モバイルコマース市場規模
NielsenとPayPalによると、「マレーシアにおけるモバイルコマースの市場規模は2011年当時は4億6,700万リンギット (約148億円)、そのうち、3億3,700万リンギット (約107億円、モバイルコマース市場全体の72%) はスマートフォン経由で、1億800万リンギット(約34億円、同市場の23%) はタブレット経由」でした。2015年には2011年の7倍強となる34億3,000万リンギット(1,090億円) まで拡大すると予想されています。
2011年のEC市場規模は19億7,000万リンギット (約626億円、同資料より) のため、24%がスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス経由になります。2015年のEC市場規模の予想は56億7,000万リンギット (約1,800億円) のため、うちの6割がモバイルデバイス経由となると想定されています。予想とはいえ、これは比較的高い比率であるといえるでしょう。
日本の市場規模と比較すると、2011年時点で日本のモバイルコマース市場規模は1兆1,700億円 (総務省) のため、比較すると1.3%ほど、ただし、左記市場規模には物販以外 (旅行・イベント関連の支払いなど) も含まれているため、物販の市場規模5,830億円で比較すると約2.5%となります。
日本のモバイルコマース市場は世界でも最大級の規模とはいえ、マレーシアの市場規模はまだまだと言えるでしょう。ただし、マレーシアの方が市場の伸び率は高いため、2015年頃には1〜2割ほど占める規模にはなるのではないでしょうか。
マレーシアECサイト モバイル対応状況
マレーシアのモバイルコマース市場規模は伸びてきているものの、肝心のECサイトがモバイル対応していないとまともなショッピング体験が提供できません。Alexaのマレーシア国別ランキングなどから以下の6つのECサイトをピックアップしましたが、すべてスマートフォン向けの専用サイトを用意していました。レスポンシブデザインではなくスマートフォン専用サイトをしっかりつくっていることには関心しました。
リピーター向けにはアプリの方がより良いショッピング体験を提供できますが、ブラウザとのシームレスな導線を考えると、スマートフォン専用サイトの質を上げていく優先順位はきわめて高いといえます。
確認サイト : Lazada / Lelong.my / Qoo10 Malaysia / Rakuten Malaysia / Zalora / Groupon
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東南アジア圏各国のEC環境を比較すると、マレーシアのインフラは整っているため、今後モデルケースとなる可能性は高いと思います。ただし、人口が3,000万人弱と日本の1/4ほどのため、タイ、シンガポール、インドネシアなどとともに面でおさえるという東南アジア圏ECの基本に変わりはありません。
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出典 :
「スマホ・タブレット」「アプリ・ブラウザ」の利用状況 [マレーシアにおけるモバイルコマースの状況] – THE BRIDGE
モバイルコマースの市場規模とスマホ普及率 [マレーシアにおけるモバイルコマースの状況] – THE BRIDGE