ラグジュアリーブランドTory Burchは、カスタマイズアプリでFacebookコマースを実施しています。
Facebookがリニューアルする以前の横幅550ピクセルの仕様ではなく、横幅約770ピクセルほどを使っていますが、増加した幅をそのままナビゲーションが占有しているため、オウンドメディア (toryburch.com) としてのEコマースサイトと比較するとやはり画像の小ささが顕著です。
ただ、商品詳細ページの画像拡大やズーム機能などはそのまま実装されており、そこまでの不便さは感じません。
しかし、Eコマースサイトにあるリコメンデーションや決済の機能がそもそもありません。
買物カゴの確認から決済への遷移は自然なため違和感は無いですが、ユーザーのショッピング体験を少しでも良くすることを考えた時に「何故Facebook内で買物をするのだろう?」という疑問に答えることは難しいのではないでしょうか。
Tory Burch のFacebookページの投稿からのリンクはほぼオウンドメディアで、ブログなどのコンテンツも付加することでEコマースサイトとしてのコンテンツ不足をカバーしています。
Facebookは既存顧客とのコミュニケーション手段として最適ですが、今回の例も含めて販売の窓口としてまだ万能というわけではありません。
例えば、Pinterest のようなユーザーが主導権を持ってコンテンツを作る (大本の画像などはユーザーが作った訳ではないですが) 場所からの誘導も重要性を増しているため、販売自体は、FacebookやPinterestなどの様々なメディアからの受け皿として、ユーザーが最高のショッピング体験を得られる場を提供する必要があります。
カスタマイズアプリとしてレベルは比較的高いとは思いますが、先に指摘した点やFacebookとの連携についてもさらに踏み込んだ仕組みを入れていかないと厳しいのではないでしょうか。
ちなみに、Tory Burch の商品詳細ページには、Facebook (いいね!)、Google (+1ボタン)、Pinterest の3つの共有ボタンが設置されているのですが、ほぼすべての商品について Pinterest のボタンが一番クリックされていました。このような画像がキラーコンテンツとなるようなラグジュアリーブランドと Pinterest との相性の良さを改めて感じます。