日本のブランドがアジア (特に中国で目立ちますが) で苦戦する理由の一つとして価格の問題が挙げられますが、ただ単に高いという訳ではなく、その価格帯とスタイルに合うターゲットユーザーへきちんとリーチしていないことが問題かと考えられます。
以下の図のように、日本も他のアジア各国も富裕層は日本ブランドではなく欧米のラグジュアリーブランドを選択します。その下の中間層は可処分所得がそれなりにありファッション文化の成熟した日本では、日本ブランドにマッチしますが、アジアではラグジュアリーブランドほどブランド力が無く価格もそれなりに高い、と感じられてしまいます。そもそも、以下の図の通り、日本人の感覚の中間層はまだ薄いのが現実です。
例えば、ラグジュアリーブランドは、大衆に幅広く告知をする必要がないので、予算があってもテレビ広告はうちません (コスメ系商品は除きます) 。しかし、しっかりとユーザーが絞られた雑誌広告や大都市一等地に店舗をだすことで、ターゲットユーザーに強烈にアピールしています。日本ブランドもこのように集中した広告・プロモーション、チャネル政策を行わない限り他のアジアブランドに埋没してしまうことになります。
中間層の下にあるマス層に対しては、ローカルSPAが製品 (中〜高品質) 、価格 (低価格の少し上) 、広告 (製品とリンクした大々的な宣伝)、流通 (サプライチェーン・物流最適化) といった一貫した戦略で進めています。失敗するブランドは戦略の整合性が無いことはもとより、それなりの価格で売っているのにサプライチェーンが最適化されておらずビジネスモデルとしてもあまり儲からない (あまり利益が出ない) 、そして、マス層相手ではないので販売数も増えず売上も上がらないといった状態に陥ってしまうのです。
アジア EC
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