ファッションEC最新動向 – ポイント・アーバンリサーチ・クレッジ

繊研新聞に掲載されているEC座談会について、あるブログにて紹介されていました。EC座談会はファッションストア3社の自社EC責任者がファッションEコマース最前線を本音で語っており、これから自社Eコマースサイトを強化 …

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繊研新聞 (2月27日) に掲載されているEC座談会について、あるブログにて紹介されていました。

EC座談会はファッションストア3社の自社eコマース責任者がファッションeコマース最前線を本音で語っており、これから自社eコマースサイトを強化しようと考えるブランド企業の方は必読だと思います。

以下は、それぞれの自社ECサイト責任者が語った内容の要約で新聞記事からの引用になります。

 

ポイント – 大手SPA

「昨年まではEC市場全体の伸びに引っ張られただけ。ですが2012年度が象徴的で、「ゾゾタウン」をはじめとしたモール、ブランドサイトともに、成長率が鈍化し始めました。今後は本当に (自前の) 仕掛けが必要な時代が来た」

「店舗の在庫をECで表示し、ECの注文を店舗で受け取れるサービスを始めました。店舗受け取りは試着、返品できるため、思っていた以上に利用者がいる」

「「ハレ」は自社の中でもEC化率が高いブランドで、サイト上でブランドの世界観が表現できているのと、サイズ感が基本的に一定だから安心してもらえている。逆に、毎回サイズが変わってしまうようなブランドだと難しい」

 

アーバンリサーチ – セレクトショップ EC売上比率 20%

「以前はサイトの更新を金曜日の週1回としていたため、商品の入荷情報が実店舗とタイムロスがあった。今は更新を週2回に増やして差を縮めている」

「店にいながらにしてスマホでECに飛べるようにし、店の売上に計上、販売スタッフ個人の売上にしていきたい」

 

クレッジ – マルキュー系リップサービス EC売上比率 23%

「外部委託では、店頭投入とネット掲載にタイムラグが出る。ブランドへの情熱やウェブ上での表現、スピードの点でも思うように行かない」

「実店舗と忠実に連携しようと決めてからは売上もお客の反応も格段に良くなった」

「 (オンラインストアを) ECというより、ブランドの情報が全て揃っていて、全てを知れる場所にしたい」

「CRM施策は後回し。それよりも在庫情報一元化が最優先課題。全社の在庫の稼働率を上げる施策を準備中」

「買う場所はお客に委ねます。まずは店の在庫を閲覧できるようにして、その後の決済はECでなく店でもあり」

「顧客が買いたい時にどこでも買えるような利便性、満足感を提供できるかに重点を置きたい」

 

昨年2012年のゾゾタウン (ZOZOTOWN) の失速やポイント10%施策 (結局撤回しましたが) から、ECモールに頼ることのダウンサイドリスクを明確に認識したため、今後は、自社ECサイトをブランドそのものとして本格化していくべきだとの考えが主流になってきているようです。

店舗と自社ECサイト間のリアルタイム在庫・入荷管理やECでの注文を店舗で受け取れるサービスなど、オンライン・オフラインのシームレス化。そして、自社ECサイトは一店舗という位置付けではなくブランドの世界観を最優先で表現すべき場所として、戦略的な投資が加速しそうです。

 

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出典 :
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ファッション流通ブログde業界関心事