2012年9月にFacebook経由にて、日本のファッションを好きな20代の女性にEC (Eコマース) に関する簡易的なアンケートをとりました。台湾の友人に協力してもらい彼女の友達を中心に55名の回答を得ています。回答ユーザーの属性は特に正確に制限していませんが、上記想定ユーザーに向けたアンケートであることを明記していましたので大きくブレていることは無いと思います。
質問は全部で10問ですが、今回の記事ではその中から3つの質問と回答を取り上げ、ファッションEC (ファッションEコマース) における台湾ユーザーの購買行動について話をしたいと思います。
以下の3つの質問と回答からの要約として、日本のファッションを好きな20代女性ユーザーは、ファッション商品を欲しいと思った時、外出するよりはファッション雑誌かインターネットを見る、特にインターネットでは、Yahoo! のオークションかショッピング、もしくは検索エンジンを利用する、というある程度想定できる結果になりました。
以下で詳細について考えてみようと思います。
ファッション商品を欲しいと思った時は、インターネットを見るかファッション雑誌を見る、という回答がほぼ過半数でした。
対象が若い世代なので、夜市に行く比率が低いのが意外ですが、既に夜市で買える洋服の価格・品質であれば、インターネットで探す方がより品揃えが多いため、特に若い世代ではインターネットでの購入へのシフトがおきていると言えます。ただ、品質が悪くても安いものが売れているという状況になっているのも事実で、一概に台湾のEC (Eコマース) 市場が伸びていることについて、手放しでは喜べない状況です。
ファッション商品を欲しいと思った時、インターネットで何を見るかという質問には、インターネットモールと Yahoo! (ヤフー) 台湾 (正確には、Yahoo!奇摩といいます) が過半数を越しています。Yahoo! 台湾については、イコール インターネットモール+オークションなので、回答項目にダブりがあるとも取れるのですが、それでも、台湾のユーザーのYahoo! への依存度は非常に高いといえます。
以下の質問3の回答を見ますと、Yahoo!の中でも特にオークションへの関心が高い結果になっています。以前、台湾の20代女性へのヒアリングで印象の残ったのが、先ず真っ先に見に行くサイトはYahoo! オークションで、理由としては明確で安いからです。
これは仮説ですが、Yahoo!を選んだユーザー層とインターネットモールを選んだ層の一部は、価格重視のユーザーで、これが現在台湾ファッションECの市場を支えるマス層でしょう。低価格といっても、夜市レベルの品質であれば1シーズンは着れるだろうし、インターネットという品揃えも豊富なお店ができた今、これまで夜市などで洋服を買っていた購買行動がインターネットでの購入にシフトしたと言えます。
上記とは別に、価格から入らないユーザー層は、検索エンジンを最初に使い、インターネットモールに頼らないECの使い方をしているのかもしれません。今後この層が増えてくれば、インターネットモール内での値引き競争を避けることができるかもしれません。
台湾のインターネットモールでファッション商品を買う場合、圧倒的に、Yahoo! 関連のサービスを使うことが多いようです。
Yahoo! 台湾にはショッピングカテゴリが2つあり、一つが、「購買中心」といい、ユーザーからの見え方としては、Yahoo!が直接販売しているように見えます。もう一つが、「超級商城」で、ユーザーから見ると楽天などのようにYahoo!がプラットフォームとなり第三者が出店しているように見えます。基本的には、購買中心の方が、Yahoo!が直接運営しているように見えるため信用があり、また空き広告枠に商品が掲載されたりとよりYahoo!内での露出があるため、信頼性があります。
Yahoo!に次いで、露天とPC homeが続きます。露天はオークションサイトであり、ECプラットフォームの2番手であるPC homeがYahoo! オークション対策にeBayと合弁で立ち上げたサービスで、特に18 – 25の世代に今人気のあるサイトです。楽天台湾がその後に続きますが、これら以外は、ほとんど存在感を出せていない状況です。
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