Sociable Labs が 「Social Impact Study: How Consumers See It」と題したレポートを発表しています。2012年1月15日〜2月8日の間でサンプル数1,088人のデータを纏めたレポートになっています。対象サンプルの定義は、オンラインショッパー (4半期に1度以上オンラインで買物をするユーザー)でかつFacebookユーザー (月に1度以上ログインするユーザー)、年齢比率は平均的なオンラインショッパーの年齢比率に準じているようです。FacebookとEコマースとの相性を知るうえで参考になるデータではないでしょうか。
以下のスライドはサマリーなのですが、Facebookで、購入した商品についてのコメントがその後シェアされ広がりクリックされその商品の販売サイトへと遷移し、また別のユーザーに購入されるまでの流れを表した図です。
- 友達によってシェアされた商品についてのコメントを読んだことがあるユーザーが、
全体の62%、 - そのうち 75% が、そのコメントに付いている商品画像などから販売サイトに遷移
したことがあり、 - そのうち 53% が、その販売サイトで商品を購入した、
となり、最終的に、全体の 25% が商品の購入につながっている、という結果になります。
通常、Eコマースのコンバージョン率 (購入者数 / サイトの訪問数) は 1〜2% ほど (Forrester Researchによると、平均 3.4% ) と思いますが、この流れで訪問したユーザーのコンバージョン率は 53% で、半数以上が購入に至るという凄まじい数字です。これはさすがに異常値とは思えるのですが、購入された商品に関するコメントがFacebookで巡り巡って潜在顧客を連れてくるという仮説は実証してみる価値は多いにあると考えます。FacebookとEコマースというと、Facebook内で商品を販売することと考えるケースが多いと思いますが、ソーシャルメディアとしての本質的なところを考えることが重要です。
日本のアマゾンでも商品購入後に、ソーシャルメディアに情報をシェアする仕組みを既に取り入れています。商品に関するコメントやレビューをサイト内に閉じ込めておくのではなく、ソーシャルメディアに拡散させる取り組みは、Eコマース事業者にとって今後より重要になってくるでしょう。
以下のスライドは詳細になります。
「オンラインショッパーの 56% が、商品にひも付いた いいね! ボタンをクリックしたことがある。」
「オンラインショッパーの 38% が、友達が実際に購入した商品についてのコメントをシェアしたことがある。」
「オンラインショッパーの 62% が、友達によってシェアされた商品についてのコメントを読んだことがある。」
「上記のコメント (友達によってシェアされた商品についてのコメント) を読んだユーザーの 75% が、そのコメントに付いている商品画像などをクリックして販売サイトに遷移したことがある。」
「上記ユーザー (商品画像などをクリックして販売サイトに遷移したユーザー) の 53% が、実際に商品を購入した。」
「上記の流れで商品を購入したユーザーの 81% は、その後に商品についてのコメントを発信するユーザーでもある。」
本コラム記事は、抜粋して以下の通り Venture Now に寄稿させていただきました。
「FacebookでEコマースのコンバージョン率を向上させる一例」