台湾検索エンジンシェアの常識が変わる – Googleの躍進

「台湾 検索エンジン シェア」で検索して上位に表示されるページのほとんどで、台湾検索エンジン利用の状況として、Yahoo!が過半数以上のシェアを持っていると書いています。Yahoo!を推したい現地広告代理店の事情 …

 

「台湾 検索エンジン シェア」で検索して上位に表示されるページのほとんどで、台湾検索エンジン利用の状況として、Yahoo!が過半数以上のシェアを持っていると書いています。Yahoo!を推したい現地広告代理店の事情もあるでしょう。

本サイトでも、当初「台湾でのSEOはBing対策から始める」で、Yahoo! (検索エンジンはBing) での検索エンジン利用のシェアが高いことを説明していますが、その後、「台湾検索エンジン市場でGoogleがYahoo!を追い抜く日は近い」と書いてから1年半が経ちました。

以下はOur Mobile Planetのスマートフォン所有者に関する2013年の調査です。Our Mobile PlanetはGoogleが関わっている調査ではありますが、パソコンで使用している検索エンジンを比較すると、GoogleとYahoo!の使用率はほぼ変わりません。

対象パネルは「スマートフォン所有者」ですが、スマートフォン普及率の高い台湾ではそれほど偏っているとはいえないと思います。

Bingを含めるとまだ差はあるので、SEOのBing対策はまだまだ必要ですが、GoogleとYahoo!の検索エンジン利用シェアは実際に拮抗してきているといえるでしょう。

台湾検索エンジンシェアの常識が変わる - Googleの躍進 1

以下はスマートフォンで使用している検索エンジンの比較ですが、完全にGoogleが逆転してます。デバイスに関わらず、流れは既にGoogleにあるといえるでしょう。

台湾検索エンジンシェアの常識が変わる - Googleの躍進 2

 

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出典 :  Our Mobile Planet

 

台湾でECを始める8つの理由

台湾でECを始める理由を以下の通り8つにまとめました。EC市場規模が拡大している 台湾の政府機関によると、台湾EC市場規模の推移としては二桁成長が長く続きます。2012年の台湾の市場規模は日本と比較すると20%強 …

「台湾ECを成功に導くために」と題した講演資料を公開します」の資料からの抜粋が主になりますが、台湾でECを始める理由を以下の通り8つにまとめてみました。

 

1. EC市場規模が拡大している

台湾の政府機関 Institute for Information Industry (以下、III) によると、台湾のEC市場規模の推移は以下の通りと想定しており、二桁成長が長く続きます。

台湾でECを始める8つの理由 1

2012年の台湾の市場規模は日本と比較すると20%強ほどですが、1人口当たりの市場規模でみると日本よりも高い金額となります。

2011年のデータですが、台湾でECサイトへ来訪したユーザー数は年間で約1,000万人、浸透率はインターネットユーザーの63%と、まだ購買者数の伸びしろもあります。

出典 :  III, November 2012

 

2. 決済のインフラが整っている

台湾でよく使われる決済手段は、クレジットカードが最も多く、次いで、ATM支払い・銀行振込、ネットバンキング振込、代引き、コンビニ支払い、と続きます。 ※1

クレジットカードの普及枚数は人口比で1枚以上 ※2 とアジア圏では比較的高く成熟市場となっています。

出典 :  ※1 財団法人資訊工業策進会 2011年、※2 JCB

台湾EC市場で求められる決済方法とは

クレジットカードが普及しているとはいえ、年代・性別のセグメントによっては、別の決済手段を用意する必要があります。例えば、20代女性のEC決済には、コンビニ決済が不可欠です。

上記アンケートは、日本のファッションに興味を持つ台湾の20代女性に聞いた結果ですが、圧倒的にコンビニ決済が支持されています。一方、越境ECでよく使われる決済方法であるPayPalは0%という結果になりました。

人口当たりのコンビニ数が世界一といわれる台湾において、コンビニ決済はきわめて有効な決済方法です。

出典 :  株式会社コミューン 内部資料

 

3. 物流のインフラが整っている

元々、小口配送は大手では中華郵政 (郵便局) が独占していましたが、2000年前半に、ヤマト運輸「黒猫」、佐川急便「飛脚」、日本通運「ペリカン」が台湾市場へ参入し、ブランドと宅配ノウハウ、システム・技術を提供してきました。

現在は、当日配達や冷蔵・冷凍のクール便が使えるなど既に台湾国内物流は充実しています。また、日本から台湾へはクール便を送ることもできます。

出典 :  クララオンライン社 japan.internet.com コラム、EMS (国際スピード郵便) Website

 

4. インターネット普及率が高い

台湾でECを始める8つの理由 3

アジア圏では、韓国、日本、シンガポールに次いで台湾は4番目のインターネット普及率と高く、これらに香港を含めてほぼ同レベル率となります。

別資料 (台湾の広告代理店 3digitalminds) の統計によると、台湾の普及率は約74% (2012年末時点) ともあります。

出典 :  We Are Social 2nd ed. 2012、3digitalminds

 

5. ソーシャルメディア普及率が高い

台湾でECを始める8つの理由 4

台湾ではソーシャルメディアの影響力が際立って高く、人口1,000万人以上のアジア圏の国に絞ると最もソーシャルメディアの普及率の高い国となります。

20~40代の台湾人有職者の95%以上がFacebookを利用

台湾メディアによる調査では、台湾国内25~49才のSNSを利用する有職者の95%以上がFacebookを使っています。Facebookの普及率についても、人口1,000万人以上のアジア圏の国で最大の普及率となります。

毎日Facebookを利用している人が約1,000万人もおり、人口比率でみると世界一になります。

出典 :  蘋果日報、東方線上、Facebook Website、We Are Social 2nd ed. 2012

 

6. 携帯電話・スマートフォン普及率が高い

台湾でECを始める8つの理由 6

アジア圏ではシンガポールに及ばないものの、平均で人口比1台以上携帯電話を保有しています。

アジアにおけるモバイル (スマートフォン) コマースの実情 1

台湾のスマートフォンの普及率は51% ※1 ほどですが、依存度は高く、台湾のスマートフォンユーザーで、過去7日間に毎日スマートフォンを使ったのは64%と、その利用頻度はイギリス 59%、アメリカ 62%より高い結果となっています。 ※2

出典 :  ※1 Google Our Mobile Planet、※2 Google 2012, We Are Social 2nd ed. 2012

 

7. 富裕層比率が高い

台湾でECを始める8つの理由 8

台湾のミリオネア (約1億円以上の資産を保有) の世帯数は世界で8位、全世帯あたりの比率でも同じく8位となっています。アジア圏でみると、世帯数は日本、中国に次いで3番目、比率でも香港、シンガポールに次いで3番目です。

香港とシンガポールに富裕層が集中しているのは周知の事実ですが、人口1,000万人以上の国に絞ると、アメリカに次いで、台湾は世界で2番目に全世帯におけるミリオネアの比率が高い国となります。

出典 :  Boston Consulting Group Global Wealth Market-Sizing Database 2013

 

8. 親日度が高い

台湾でECを始める8つの理由 9

台湾で実施したアンケートによると、台湾人の「最も好きな国」は、2位に大差を付けて日本が1位となっています。

また、日本政府観光局が発表している訪日外国人旅行者 (インバウンド) 総数でも、直近3ヶ月 (2013年5 〜 7月) でみると、1位か2位になっており、人口あたりの訪日旅行者数も上位に位置しています。

出典 :  日本経済新聞 交流協会アンケート結果、2013年5, 6, 7月訪日外客数 (日本政府観光局 推計値)

 

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「台湾ECを成功に導くために」と題した講演資料を公開

本日、EC-CUBE主催の「越境ECセミナー」にて、「台湾ECを成功に導くために」と題して講演を行いました。以下は本日使用したスライドになりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。本日ご参加いただいた方々 …

本日、EC-CUBE主催の「越境ECセミナー」にて、「台湾ECを成功に導くために」と題して講演を行いました。

以下は、本日使用したスライドになりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。本日ご参加いただいた方々、名刺交換をさせていただいた方々、本当にありがとうございました。

 

 

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台湾ファッションECサイト「myDress」のFacebook活用事例

今回ご紹介する「myDress」は、ドレス (ワンピース) を商品の主体とした台湾のファッション・アパレル小売店でECサイトも運営しています。 ECは独自ドメインサイトの他にYahoo!奇摩超級商城などECモールにも …

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mydress

 

myDress とは

今回ご紹介する「myDress」は、ドレス (ワンピース) を商品の主体とした台湾のファッション・アパレル小売店でECサイトも運営しています。

ECは独自ドメインサイトの他に Yahoo!奇摩超級商城などECモールにも出店しています。「台湾アパレル・ファッションEC事例 – lativ、東京著衣」で紹介した’東京著衣’のようないかにも台湾の若い女性に向けたファッションECというよりも、30代以上も意識した少し落ち着いた雰囲気です (以下の画面のように、それでも中華圏独特の色使いはありますが)。

ボリュームゾーンの価格帯は約3,000円前後と、1,000円ちょっとでだいたい買えてしまう東京著衣よりも比較的高価な品揃えです。

 

myDress ウェブサイト mydress.com.tw
台湾ファッションECサイト myDress のFacebook活用事例 1

 

商品価格帯としては、日本の通販系のファションECの商品と競合するようなところですが、ターゲットとなる台湾の20代後半〜40代女性からすると、高過ぎず安過ぎず、夜市や1,000円ほどがボリュームゾーンのECの商品では物足りず、もう少しランクの上の商品を求めて訪問するサイトだと感じます。

このようなターゲットユーザーへのアプローチについて、myDressはFacebookの活用に積極的です。現在のFacebookページのファン数は約30万人で、東京著衣 (15万人) よりも多く、ファッションEC最大手のlativ (47万人) よりは少ないものの、台湾では比較的多いファン数を保有しています。

Facebookアカウントとひも付けた会員登録 (ソーシャルログイン登録) で300元 (約1,000円) のクーポンを提供 (以下の画面をご参照ください) するなどの施策も恒常的に行なっています。

 

myDress ウェブサイト mydress.com.tw
台湾ファッションECサイト myDress のFacebook活用事例 2

 

さて、以下より、myDress の Facebook活用事例について見ていきたいと思いますが、本事例は、Facebook台湾の広告総代理店である、台湾 cacaFly (カカフライ) 社より提供いただいたFacebookを活用した事例を翻訳した内容になります。

 

Facebook活用事例 – myDress

目的 :

  1. ブランド認知度の向上とFacebookページのファン増加
  2. ECサイトへの新規登録者数とトラフィックの増加
  3. 広告投資や実店舗誘導ディスカウントプロモーションのROI改善

 

施策 :

  • Facebookページへ投稿するコンテンツをファンが望むようなコンテンツに改善
  • どのような内容をFacebookページに投稿すると反応が良いかを徹底的に検証
  • 新商品をFacebookページに掲載し、好きな商品に投票させるなどコミュニケーションを図る
  • Facebook広告も同タイミングで配信し、ファンの友達へのアプローチを強化するなど投稿したコンテンツを効率良く拡散
  • Facebookページ限定プロモーションとして、クーポン (Facebook Offer) を発行

 

結果 :

  • 5日間で140万人 (台湾Facebookユーザーの約10人に1人) にFacebook広告がリーチ
  • 独自ドメインサイトの売上の9割がFacebook経由
  • 8,257人がクーポン (Facebook Offer) を獲得、投資に対するリターンが15倍
  • Facebook広告投資に対するリターンは、リスティング広告の2倍
  • Facebook経由のユーザーの成約率がリスティング広告の4~6倍
  • サイトトラフィックが29%向上、新規登録者数が25%向上

 

myDress Facebookページ
台湾ファッションECサイト myDress のFacebook活用事例 3

 

Facebookページの盛り上がりもそうですが、クーポンによる実店舗への誘導も相まって売上への寄与は大きかったようです。

ECサイトへの誘導数も多く、リスティング広告との比較で広告投資効率が数倍良いというのも、大手のアフィリエイト広告ネットワークが無く、これまでリステイング広告が最も効率的だと思われてきた台湾では、Facebookの活用方法について大きなインパクトがあったのではないでしょうか。

 

出典 :  台湾 cacaFly 社提供 Facebook 活用事例 Nov 2012

20~40代の台湾人有職者の95%以上がFacebookを利用

台湾メディア中時電子報の調査によると、台湾国内25~49才のSNSを利用する有職者の95%以上がFacebookを使っています。「台湾 SNS」にもある通り、 2012年10月時点で台湾のSNS全体の利用者数は約 …

台湾メディア中時電子報の調査によると、台湾国内25~49才のSNSを利用する有職者の95%以上がFacebookを使っています。

20~40代の台湾人有職者の95%以上がFacebookを利用

台湾ソーシャルメディアSNS利用ユーザー数・普及率」にもある通り、 2012年10月時点で台湾のSNS全体の利用者数は約1,294万人ですが、本日7月24日時点での台湾のFacebook登録者数は約1,500万人 (Facebook広告配信数より算出) と、SNS全体の利用者を大きく超えています。

人口1,000万人以上の国に絞った場合、おそらく、台湾はFacebookの普及率が世界で最大の国ではないでしょうか。

 

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出典 :  逾95%上班族 愛用臉書 – 中時電子報