シンガポールの食料雑貨EC RedMart が5億円強を資金調達

シンガポールで食料雑貨のECを展開している RedMart が540万USドル (約5億6,000万円)を調達したことを発表しました。今回のラウンドではFacebookの共同創業者 Eduardo Saverin …

シンガポールの食料雑貨EC RedMart が5億円強を資金調達 1

シンガポールで食料雑貨 (Groceries) のECを展開している RedMart が540万USドル (約5億6,000万円) を調達したことを発表しました。今回のラウンドではFacebookの共同創業者 Eduardo Saverin 氏など数名が出資しているようです。

Saverin 氏曰く。

“Time-starved consumers will increasingly value convenience in purchasing their daily essentials. The logistics and technology platform the RedMart team is building extends far beyond selling groceries in Singapore.”

また、RedMart のCEO Roger Egan 氏は以下のコメントをしています。

“Online groceries is probably the most difficult type of e-commerce there is. Whereas other stores handle only a few items per basket, we sometimes have to deal with 25 or 26 items per order. That’s why packing automation technology and efficiency is much more important for us.”

アマゾンではないですが、物流のテクノロジープラットフォーム・ロジスティクスへの投資が重要になります。そして、そのテクノロジーはシンガポールで食料雑貨を売ること以上の価値を持つことになるでしょう。

特に、1オーダーで20アイテム以上を取り扱うパッキングシステムを効率的に動かすなど、食料雑貨のECは高度なテクノロジーが求められます。

RedMart はローンチから堅調に成長しており、昨年7月には年間売上500万USドル (約5億1,700万円) を計上しています。登録商品数は8,000商品で、登録会員数は11,000人、うちローカルシンガポーリアンは65%でその他35%はシンガポール在住外国人です。

1登録会員あたりの売上は、4万7,000円 (5億1,700万円 / 11,000人) と最寄り品でも継続的に購入する場合、それなりの単価にはなるようです。

シンガポール人口が530万人いることから、今後の伸び代がありそうですが、Egan 氏によると、シンガポールのオンライン食料雑貨 (Groceries) の市場規模は59億USドル (約6,100億円) と1兆円に満たない規模です。

ECは基本的に一桁代%の低マージンとロジスティクス・フルフィルメントに大きくコスト・投資が必要な事業であることから、今後も継続的な億単位の資金調達が必要です。その後、他の東南アジアの国々へ進出するのであれば、なおさらのことでしょう。

 

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出典 :
Facebook co-founder joins online grocery store RedMart’s $5.4m funding round – Tech in Asia
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楽天がシンガポールで正式にサービスを開始 – アジア展開5カ国目

オンラインショッピング好きのシンガポール人にもう一つの選択肢が増えました。楽天が公式にシンガポールでサービスを開始したと発表しました。マレーシアやインドネシア、タイでも実施している楽天スーパーポイントのリワードプ …

楽天がシンガポールで正式にサービスを開始 - アジア展開5カ国目 1

オンラインショッピング好きのシンガポール人にまた一つの選択肢が増えました。日本の楽天が公式にシンガポールでサービスを開始したとFacebookページで発表しました。

マレーシアやインドネシア、タイでも実施している楽天スーパーポイントのリワードプログラムも同時に開始しています。

楽天のシンガポールEC市場参入の目的とは」にて、シンガポールEC市場への参入計画と、その方法の是非について書きました。そこでは、扱う商品を「中間価格帯の多様な日本のファッション商品、日本でしか買えない限定物など」を取り揃えるとありましたが、現時点ではあまり集まっていないように見えます。

ファッション関連商品では、日本 (おそらく?) の数ブランドとRakuten DIRECT とある楽天が直接セレクトした商品が主で、その他にも韓国系や中国系、欧米ブランドの直輸入のようなお店はありますが、やはり有名どころを連れくるのはなかなか難しいのでしょうか。

シンガポールでの楽天の投資活動は活発です。今年後半だけで、9月に多言語字幕動画視聴サービス Viki を2億USドルで買収、11月にモバイルマーケットプレイスの Carousell に、そして今月12月にモバイル決済サービスの Coda Payments に投資しています。

東南アジアは、Rocket Internet はもとより、Amazon、eBay、Qoo10などのECプラットフォーム大手、そして中国のタオバオも狙っている市場です。楽天はシンガポールを中心に、どのような競争優位性も持つのか興味深いところです。

 

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出典 :
Japanese e-commerce site Rakuten opens shop in Singapore – Tech in Asia
Rakuten | CrunchBase Profile – CrunchBase

 

楽天のシンガポールEC市場参入の目的とは

東南アジアのEC市場が飛躍的に拡大するにはまだ時間がかかる 楽天が2013年内にシンガポールEC市場への参入を計画。楽天は先行してタイ、インドネシア、マレーシアのEC市場には既に参入していて売り上げは順調に伸びて …

東南アジアのEC市場が飛躍的に拡大するにはまだ時間がかかる

楽天が2013年内にシンガポールEC市場への参入を計画しています。楽天は先行して、タイ、インドネシア、マレーシアのEC市場には既に参入していて売り上げは順調に伸びてきているようですが、まだ、「物流インフラやインターネット環境、パソコンや携帯電話の普及環境などから、爆発的に拡大するのはまだ時間がかかる」とみているようです。

NNA.ASIAの記事によると、楽天はシンガポールEC市場について、以下の通り認識しています。

  • シンガポールのEC市場は急拡大している。例えば、シンガポールの大手ECサイト、Qoo10 (キューテン) の2012年の売上は前年比2.6倍の9,100万シンガポールドル (約70億円) に伸び、さらに2013年の月間平均売上は1,100万シンガポールドルを記録する勢い (月間平均売上×12で年間売上を計算すると、1億3,200万シンガポールドル)。
  • 楽天アジアの担当者は「現状のEC市場の規模は、東南アジア域内ではシンガポールが最大とみている。競争は激しいが、5年間でナンバーワンの地位を確立したい」と話している。

シンガポールのBtoC EC市場規模としては、「シンガポールEC市場規模とモバイルコマースの可能性」より、2010年で11億シンガポールドル、そして2015年には44億シンガポールドルになると予想されていますので、一次関数的に伸びていくと仮定すると、2013年の市場規模は32億シンガポールドル (2,500億円) ほどになります。日本の2012年のBtoC EC市場規模10兆2,000億円 (出典 :  野村総研) と比較してもまだ2.5%ほどに過ぎません。

市場の内訳としては、旅行関連 (航空券・ホテル予約) が3割ほど占めているので (2010年時点) 、純粋に物販の市場としてはもっと小さいでしょう。Qoo10の2013年の売上予想は、1億3,200万シンガポールドル、日本円で約103億円ですが、彼らは一EC事業者ではなく、あくまで楽天と同じプラットフォーマーなので、もっと売り上げ規模は欲しいところです。

 

楽天シンガポールの日本関連商品重視の政策は成功するのか

同じくNNA.ASIAの記事によると、楽天は、シンガポールでのECプラットフォームを始めるにあたって、以下の通り発表しています。

  • 2015年のASEAN内関税撤廃を見据えて、シンガポールを起点に周辺国への効率的な配送網を構築
  • 商品数は5,000種程度から開始したい
  • 扱う商品は、日本の衣料品、アニメ関連品、デジタル機器、漫画などの書籍、海外からの旅行者が日本で好んで購入する菓子類など
  • 中間価格帯の多様な日本のファッション商品、日本でしか買えない限定物など、他のECサイトにはない品揃え
  • フランフランやカシオも出店
  • シンガポール企業などの出店も促すが、まずは日本製品を充実させる方針

「シンガポールを起点に周辺国への効率的な配送網を構築する」ことは全く正しいと感じるのですが、扱う商品を日本関連商品にすることにどれだけの意味があるかは疑問です。

現時点で、シンガポールEC市場規模が「東南アジア域内では最大」と見られているとはいえ、その数倍、数十倍の人口を抱える東南アジア周辺国がそのうち台頭してくることは想像に難くありません。今のうちに、この大きそうで実は小さい市場で、日本商品のテストをするという意図があるのでしょうか。

 

日本の商品だから売れるのか、売れている商品が日本の商品なのか

越境ECで実績のある企業の方が以前仰っていたことが印象深かったのですが、「日本の商品だから売れる訳ではなく、売れてる商品がたまたま日本の商品だった」ということを理解せずに日本の商品を前面に出すことが多いと感じます。台湾ならまだしもシンガポールでは相当ニッチな市場しかおさえられないと考えられます。

ただし、シンガポールEC市場規模は飛躍的には伸びないという前提で、今後拡大するであろう東南アジア周辺国で何が売れるのかのテスト市場として様子を見るという意味では、意義のある政策ではないかと思います。

 

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出典 :  楽天がネット通販、周辺国に続き参入 – NNA.ASIA

シンガポールにおけるファストファッション7ブランドの価格帯

ファストファッションブランドの中より、H&M、FOREVER 21、MANGO、TOPSHOP、Bershka、ZARA、そして、UNIQLO の女性アパレル商品の価格帯をプロットしたものです。すべての商品を細か …

シンガポールは、スーパーブランドとファストファッションの密集度が際立って高い都市です。現在シンガポールで一番集客力があるであろうショッピングモール ION Orchard (アイオン オーチャード) には、おそらくアジアではあまり類を見ないほどの種類のファストファッションの店舗が出店しており、ショッピングモール内は平日でもいつも賑わっています。

以下の図は、そこで出店しているファストファッションブランドの中より、H&M、FOREVER 21、MANGO、TOPSHOP、Bershka、ZARA、そして、UNIQLO の女性アパレル商品の価格帯をプロットしたものです。すべての商品を細かくチェックしたわけでは無いのですが、ある程度の傾向は見えてくるのではないでしょうか。

シンガポールにおけるファストファッションの価格帯

1シンガポールドル = 77.18円にて計算

 

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シンガポールにおけるモバイルマーケティング事情

以前シンガポールでのスマートフォン浸透の流れとモバイルECの可能性について触れました。携帯電話普及率は147%と世界でも最高レベル、うちiOSとAndroidでモバイル機器のトラフィックの95%を占めている状況で …

シンガポールにおけるモバイルマーケティング事情 1

シンガポールにおけるモバイルマーケティング事情 2

2012年5月の記事「シンガポールEC市場規模とモバイルコマースの可能性」でも、シンガポールでのスマートフォン浸透の流れとモバイルECの可能性について触れていますが、2012年末の段階で、上図の通り、携帯電話普及率は147%と世界でも最高レベル、うちiOSとAndroidでモバイル機器のトラフィックの95%ほどを占めている状況です。

また、モバイル広告ネットワーク inMobi による2012年11月のレポートでは、既にシンガポールユーザーのデバイス使用時間でモバイル (タブレット含む) がPCを上回っています。

シンガポールにおけるモバイルマーケティング事情 3

2012年11月の調査 (上グラフ) によると、このようなシンガポールユーザーの状況に対応するため、シンガポール市場のマーケッターのうち8割が、モバイル端末はマーケティングチャネルとして今後数年で一番重要なツールであると考えています。

モバイルマーケティングの具体的な施策として実施されているのは、QRコード、モバイルに最適化したeメール、モバイルコマース、SMSキャンペーンなどです。モバイルアプリについてはまだあまりマーケティングには活用されていないようです。

この調査を実施したリサーチ会社の上級職社員によると、 シンガポールでは今後5年間でマーケティング予算の半分以上がモバイル関連に振り分けられ、モバイルマーケティングは、あらゆるデジタルチャネルの中で最も効率的な顧客へのリーチとエンゲージを実現するだろうと予測しています。

 

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出典 :
Mobile Marketing Gets Increased Attention in Singapore – eMarketer
In Singapore, Mobile Picks Up More Paid Search Clicks – eMarketer
We Are Social’s Guide to Social, Digital and Mobile in Asia (2nd Edition) – SlideShare