ラグジュアリーブランドのFacebookコマース事例 – Tory Burch

ラグジュアリーブランドTory Burchは、カスタマイズアプリでFacebookコマースを実施しています。Facebookがリニューアルする以前の横幅550ピクセルの仕様ではなく、横幅約770ピクセルほどを使っ …

ラグジュアリーブランドのFacebookコマース事例 - Tory Burch

 

ラグジュアリーブランドTory Burchは、カスタマイズアプリでFacebookコマースを実施しています。

Facebookがリニューアルする以前の横幅550ピクセルの仕様ではなく、横幅約770ピクセルほどを使っていますが、増加した幅をそのままナビゲーションが占有しているため、オウンドメディア (toryburch.com) としてのEコマースサイトと比較するとやはり画像の小ささが顕著です。

ただ、商品詳細ページの画像拡大やズーム機能などはそのまま実装されており、そこまでの不便さは感じません。

 

 

しかし、Eコマースサイトにあるリコメンデーションや決済の機能がそもそもありません。

買物カゴの確認から決済への遷移は自然なため違和感は無いですが、ユーザーのショッピング体験を少しでも良くすることを考えた時に「何故Facebook内で買物をするのだろう?」という疑問に答えることは難しいのではないでしょうか。

Tory Burch のFacebookページの投稿からのリンクはほぼオウンドメディアで、ブログなどのコンテンツも付加することでEコマースサイトとしてのコンテンツ不足をカバーしています。

 

 

Facebookは既存顧客とのコミュニケーション手段として最適ですが、今回の例も含めて販売の窓口としてまだ万能というわけではありません。

例えば、Pinterest のようなユーザーが主導権を持ってコンテンツを作る (大本の画像などはユーザーが作った訳ではないですが) 場所からの誘導も重要性を増しているため、販売自体は、FacebookやPinterestなどの様々なメディアからの受け皿として、ユーザーが最高のショッピング体験を得られる場を提供する必要があります。

カスタマイズアプリとしてレベルは比較的高いとは思いますが、先に指摘した点やFacebookとの連携についてもさらに踏み込んだ仕組みを入れていかないと厳しいのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、Tory Burch の商品詳細ページには、Facebook (いいね!)、Google (+1ボタン)、Pinterest の3つの共有ボタンが設置されているのですが、ほぼすべての商品について Pinterest のボタンが一番クリックされていました。このような画像がキラーコンテンツとなるようなラグジュアリーブランドと Pinterest との相性の良さを改めて感じます。

 

アパレル・ファッションECにおけるマレーシアという市場

マレーシアというとシンガポールに隠れて地味なイメージがあるかと思います。弊社も当初、アジア市場で狙うべきは、中国への布石としての台湾、香港、そしてASEANへの足掛かりとしてのシンガポールと3カ国を考えていました …

アパレル・ファッションECにおけるマレーシアという市場

マレーシアというとシンガポールに隠れて地味なイメージがあるかと思います。アジア市場で狙うべきは、中国への布石としての台湾、香港、そしてASEANへの足掛かりとしてのシンガポール、これら3カ国が先ず最初に思い浮かぶでしょう。しかし、ご存知の通り、香港、シンガポールは人口がそれぞれ1,000万人以下と市場としては小さく、Eコマースとして始めるのには確かに物足りなさを感じるということも事実です。

 

ファッションへの感度が高いマレー人

台湾やシンガポールに次いで、物流、決済、インターネット接続環境などのインフラが整っている国はマレーシアです。現在運営しているクロスボーダーECでのオーダー数におけるマレーシア人比率が高いことや、マレー人の女性はファッションに対して感度の高いと聞いたりする中で、アパレル・ファッションECにおいて、マレーシア市場は検討に値するのではと考えています。

先日シンガポールに向けたあるファッションEコマースのニュースに対して、「マレー人の方がファッションに興味があるのに、何故シンガポールなのか?」との意見がありました。シンガポールでは日本のファッションが受け入れられそうだと現地の方から話は聞くのですが、一般的にファッションにあまり興味が無いとも聞きます。

ただし、マレーシアの一人口当たりGDPは、日本や日本とほぼ同じシンガポールと比較すると2割弱 (「アジア向け事業でのFacebook活用のすすめ」を参照) で全体としてはまだまだ可処分所得は低く、また、マレーシア内でもマレー人と華人との間に平均収入には差があったりします。

例えば、クアラルンプールなど都市部の独身のOLにターゲットを絞りこむなどの対処は必要になるかとは思いますが、今後も経済成長が見込めるマレーシアはファッション関連の市場としても魅力的になってくるのではないでしょうか。

 

>> ファッション に関連する他の記事
>> マレーシア に関連する他の記事

ファッション・コスメ市場伸び盛りのアジア

「 コスメ・アパレル伸び盛りのアジア市場を攻める! Eコマースセミナー – 急速に拡大するアジアの女性向け市場の最新情報を発信 」と題したセミナーを株式会社Rouge Asiaさんと共同で開催させていただきました …

講演 セミナー 関連記事

「EC-CUBE海外支援セミナー 大阪」にて講演をします

「越境EC」をテーマとした講演資料を公開します

越境ECをテーマとして「第1回通販ソリューション展」にて講演をします

 

【2012年5月10日追記】

本日5月10日、中国・アジアEコマースセミナーの一環として小規模の勉強会が開催されます。ゲストには現在中国でアパレルEC事業を準備中の株式会社クラッチの中西様をお迎えして、激しさを増す中国EC市場の実態や事業立ち上げのリアルな状況を伺います。

詳細はこちらをご確認ください。

—————————————————————————————————

ファッション・コスメ市場伸び盛りのアジア

3月28日に、「コスメ・アパレル伸び盛りのアジア市場を攻める! Eコマースセミナー – 急速に拡大するアジアの女性向け市場の最新情報を発信 」と題したセミナーを株式会社Rouge Asiaさんと共同で開催させていただきました。セミナー内容は以下の通りです。

 

「中国市場最新情報」
株式会社Rouge Asia 前田 女史

「事例で見る日本からアジアに向けたFacebookコマースの最前線」
株式会社コミューン 成田

「海外からの日本通販サイト利用について」
株式会社転送コム 直井氏

「チャット対応が鍵!中国ECサイト運営最新事情」
北京瑞金麟网络技术服务有限公司 三浦氏

 

それぞれ自身の経験やデータからのお話が多く、内容の濃いセミナーとなりました。好評につき次回の開催についても話をしています。今回の内容に関する問い合わせや次回講演内容のリクエストなどございましたら、ぜひ以下からお問い合わせください。

 

 

お問い合わせ

弊社への仕事や講演のご相談、見積のご依頼などは以下のお問い合わせフォームよりお願いします。なお、お問い合わせ内容によっては、回答にお時間がかかる場合がありますので予めご了承ください。

株式会社コミューン
EMAIL :  biz@cmmninc.com

 

[contact-form-7 id=”3522″ title=”お問い合わせ”]

 

POSHMARKはアパレル二次流通に革命を起こせるか

POSHMARKはスマートフォンでファッションアイテムの二次流通を促進させるサービスです。Facebookアカウントとの連携を必須にするなどFacebookとの親和性は高いスマートフォンアプリです。この市場は米国…

 

POSHMARKはアパレル二次流通に革命を起こせるか

2011年末に Kaboodle のfounder、Manish Chandra氏がKaboodleを離れ創業した POSHMARK は、スマートフォンでファッションアイテムの二次流通を促進させるサービスです。今のところはiOSアプリのみの対応ですが、Facebookアカウントとの連携を必須にするなどFacebookとの親和性は高いスマートフォンアプリです。この市場は米国ではeBay (日本でのYahoo! オークションのような存在) がリーダーですが、出品の登録作業が煩雑過ぎるという難点があります。POSHMARKは、スマートフォン専用サービスであることの特長を活かし、Facebookと連携させたうえで売りたいアイテムの写真を撮りいくつかの項目を入力するだけで簡単に出品ができるなど、スマートフォンならではの手軽さがあります。

自分のクローゼットにあるファッションアイテムを見せ合うことに (Facebook認証があるため、あまり見栄えの悪いものは出さない)  、ソーシャルな仕組みを取り入れることで、単なる取引プラットフォームではないファッション好き同士の空間を演出しています。Instagram ライクな見せ方で、出品アイテムをLike、Comment、Shareできる仕組みはもちろんですが、「Posh Parties」と呼ばれるソーシャルインタラクションな機能を導入しているのが特徴的です。

「Posh Parties」とは、Seller (出品者) がテーマを決め (例えば、Louis Vuitton バッグ、leather and lace、cocktail party dressesなど) 、展示即売会を時間限定でスマートフォン内で展くことができる、フラッシュマーケティングのような機能です。ライブチャットを通してその場で質問ができたり、アイテムの特性をアピールしたりすることもできます。Sellerは数人集まって実施することもできるため、実際の友達同士で実施することもできます。今のところは、ファッションブロガーやデザイナーが利用しているが、この手法が一般ユーザーに定着するかビジネス側の演出として続くかはわかりませんが考え方は面白いと思います。

決済はクレジットカードのみで、Buyer (購入者) の支払いは一旦 POSHMARK で保留され、Seller には配送のための情報が入ったラベルが渡されます。Seller はそのラベルをプリントアウトして荷物に貼りBuyer へ直接配送、配送完了後POSHMARKで保留していた支払いをSellerに解放します。この仕組みは Braintree というペイメントゲートウェイを利用しているようです。

POSHMARKは、アイテム出品は無料にしていますが、取引毎に固定で20%のフィーを得ています。スマートフォンの中だけでとにかく簡単に売買が完結することが特長ですが、ここが運用上問題なければ、大手に対して大きなアドバンテージになるでしょう。

POSHMARKはサービスローンチにあたり、Mayfield Fund、Jeff ClavierのSoftTechVC、Ron ConwayのSV Angel、Kanwal Rekhiから350万ドルのfundingを実施しました。

 

出典 :
Poshmark Brings In $3.5 Million To Bring The Clothing Swap To Your iPhone – TechCrunch
Poshmark sees your closet as the next big e-commerce store, launches with $3.5M – VentureBeat
Poshmark Style App Turns Closets Into Marketplaces – Forbes

 

日本のアパレルブランドはなぜアジアで成功しないのか

日本のブランドがアジア (特に中国で目立ちますが) で苦戦する理由の一つとして価格の問題が挙げられますが、ただ単に高いという訳ではなく、その価格帯とスタイルに合うターゲットユーザーへきちんとリーチしていないことが …

 

日本のブランドがアジア (特に中国で目立ちますが) で苦戦する理由の一つとして価格の問題が挙げられますが、ただ単に高いという訳ではなく、その価格帯とスタイルに合うターゲットユーザーへきちんとリーチしていないことが問題かと考えられます。

以下の図のように、日本も他のアジア各国も富裕層は日本ブランドではなく欧米のラグジュアリーブランドを選択します。その下の中間層は可処分所得がそれなりにありファッション文化の成熟した日本では、日本ブランドにマッチしますが、アジアではラグジュアリーブランドほどブランド力が無く価格もそれなりに高い、と感じられてしまいます。そもそも、以下の図の通り、日本人の感覚の中間層はまだ薄いのが現実です。

 

日本のアパレルブランドは何故アジアで成功しないのかについての一考察
2012年6月1日: 画像アップデート

 

例えば、ラグジュアリーブランドは、大衆に幅広く告知をする必要がないので、予算があってもテレビ広告はうちません (コスメ系商品は除きます) 。しかし、しっかりとユーザーが絞られた雑誌広告や大都市一等地に店舗をだすことで、ターゲットユーザーに強烈にアピールしています。日本ブランドもこのように集中した広告・プロモーション、チャネル政策を行わない限り他のアジアブランドに埋没してしまうことになります。

中間層の下にあるマス層に対しては、ローカルSPAが製品 (中〜高品質) 、価格 (低価格の少し上) 、広告 (製品とリンクした大々的な宣伝)、流通 (サプライチェーン・物流最適化) といった一貫した戦略で進めています。失敗するブランドは戦略の整合性が無いことはもとより、それなりの価格で売っているのにサプライチェーンが最適化されておらずビジネスモデルとしてもあまり儲からない (あまり利益が出ない) 、そして、マス層相手ではないので販売数も増えず売上も上がらないといった状態に陥ってしまうのです。

 

アジア EC

今年2013年にはアジアがEC市場規模で最大の地域となる

マレーシアはアジアEC市場の次世代リーダーか – A.T.カーニー

楽天タイランドとタイEC市場の現状

シンガポールEC市場規模とモバイルコマースの可能性

楽天が選んだアジアの進出先マレーシア EC参入の2つの考え方

アパレル・ファッションECにおけるマレーシアという市場