東南アジアと日米のモバイル・スマートフォン普及状況比較

「東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォンユーザー」の補足資料として、2014年1月時点での東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの4ヵ国合計)と日本、米国におけるモバイル・スマートフォン …

 

東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォンユーザー」の補足資料として、2014年1月時点での東南アジア (シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの4ヵ国合計) と日本、米国におけるモバイル・スマートフォンの普及状況などを比較した表を作成しました。

東南アジア・日本・米国のモバイル・スマートフォン状況比較 ※ 上記「東南アジア」の数値は、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの4カ国の合計

定義 :
モバイル・インターネット普及率 = モバイル・インターネット利用者数 / 人口
スマートフォン普及率 = スマートフォン利用者数 / 人口
スマートフォンユーザーEC利用率 = スマートフォンユーザーEC利用者数 / スマートフォン利用者数

アジア各国のスマートフォン普及率は「アジアにおけるモバイル (スマートフォン) コマースの実情」を参照

 

東南アジアの数値として、Eコマースなどのインフラが比較的整っているシンガポール、マレーシア、タイと、数値的に大きなインパクトを持つインドネシアの4ヵ国のみを用いているのには賛否があるかと思いますが、当初の事業展開として現実的な国を選択しました。

人口、携帯電話契約者数ともに東南アジア4ヵ国は米国とほぼ同じで日本の倍ほどになります。モバイル・インターネット利用者数は東南アジアの普及率が低いため日本とほぼ同じで、米国はその倍ほどになります。

スマートフォン利用者数は米国>東南アジア4ヵ国>日本とそれぞれ倍々となっています。普及率でみると東南アジア4ヵ国と日本はあまり変わりませんが、米国は普及率が50%を超えています。スマートフォンの普及率は今後米国以外の国も伸びてくると想定されます。

スマートフォンユーザーのEC利用者数 (Mobile Purchase via Smartphone) も同様に米国が最も多いのですが、比率でみると意外にも東南アジア4ヵ国が高く (インドネシアのみだと57%) 、日本と米国がほぼ同じです。

スマートフォン普及率が上がってきた段階で、東南アジアがMobile Purchaseの率を維持できるかは不明です。また、所得がまだまだ低いため市場を形成するもう一つの要因である単価は低いのが現状ですが、今後の経済成長の可能性を合わせてみるときわめて大きな潜在市場があると考えられます。

 

出典 :
Global Digital Statistics Jan 2014 – We Are Social, US Census Bureau, InternetWorldStats, ITU, GlobalWebIndex Wave 11, Our Mobile Planet, GSMA Intelligence

 

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ

「東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォンユーザー」にて引用したデータなど、いくつかモバイルシフトを裏付けるグラフを紹介したいと思います。comScoreによる米国ユーザーの動向をまとめた3つのグラフです。 …

 

東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォンユーザー」にて引用したデータなど、いくつかモバイルシフトを裏付けるグラフを紹介していきたい。

 

米国 / アメリカ

comScoreによる米国ユーザーの動向をまとめた3つのグラフ。2010年12月から2013年12月までの3年間で、インターネット利用に費やす時間が83%も増え、その伸びのほとんどがスマートフォンからのインターネット利用だった。消費時間も2013年12月時点でスマートフォンはデスクトップを超えている。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 1

2014年1月には、インターネット利用に費やした時間の46.6%はモバイルアプリでの利用で、45.1%のデスクトップからの利用を越えた。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 2

以下各サービスでのモバイルオンリーユーザー比率はすべて右肩上がり。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 3

出典 :
新たなインターネット・アクセスを生み出すのは Post-PC だけ? それを示す1枚のチャート – Agile Cat – in the cloud
モバイル端末からしか接触しないネットユーザーが急増 – BLOGOS

 

日本

Nielsenによる日本ユーザーの動向をまとめたグラフ。楽天市場は2013年12月時点で既にスマートフォンからの利用者数がPCを上回っており、2014年2月にはアマゾン/Amazonもスマートフォンからの利用者数がPCを上回った。トレンドはスマートフォンの方が上昇傾向のため、今後PCとの差が広がっていく可能性の方が高い。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 4

オンラインモールでまとめてみると、2014年2月でPCとスマートフォンからの利用者数はほぼ同じ。傾向としては同じくスマートフォンの方が伸びているため、3月以降は逆転している可能性が高い。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 5

出典 :
スマホへのシフトが鮮明に–ニールセンのインターネット利用調査 – ZDNet Japan
AmazonやYouTubeで、スマホからの利用者数がPCを上回る – Appllio

 

中国

Alibabaによる中国モバイルコマースに関するデータ。中国では携帯電話契約者が10億人に達し、既にモバイルからインターネットにアクセスするユーザー数がPCからアクセスするユーザー数を超えている。中国のモバイルコマース市場規模は今年2014年には日本や米国を超え世界一になるだろう。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 6

出典 :
中国モバイルコマースの市場規模は2014年に271億米ドルに達し、アメリカの規模を上回る見込み (インフォグラフィック) – THE BRIDGE

 

アプリ vs モバイルウェブ

Flurryが全世界13億台のデバイスから集めたデータなどによると、スマートフォンでのアプリ利用によるインターネットアクセスは依然成長が続いており、対照的にスマートフォンのウェブ利用は減少傾向にある。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 7

スマートフォン (iOS & Android) 利用による消費時間を比率にすると86%がアプリ利用になり、32%がゲームアプリ、17%がFacebookアプリとほぼ半分がこれら2つのカテゴリで費やされていることになる。

ゲームカテゴリを外しても8割り近く (ゲームを外したAPPS (54=86-32) / ゲームを外した全体 (68=100-32)) がまだアプリ利用での時間消費のため、アプリ重視の傾向は今後も続くのではないか。

世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ 8

出典 :
モバイルは2014年もアプリ利用が増えてWebは減少, 広告ではGoogleの一人勝ち – TechCrunch Japan

 

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東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォンユーザー

オンラインでモノを買う行為、一般的にいうネットショッピングは、長らくPCで行われ、EC事業者はこれまではパソコンに最適化したユーザー体験を考えてサービス設計をしていました。しかし、comScoreやNielsen …

 

Eコマースのモバイルシフトは既に起きている

オンラインでモノを買う行為、一般的にいうネットショッピングは、長らくパソコン (以下PC) で行われ、Eコマース事業者はこれまではパソコンに最適化したユーザー体験を考えてサービス設計をしていました。

しかし、comScoreによる米国ユーザーのデータやNielsenによる日本ユーザーのデータ、Alibabaの中国モバイルコマースに関するデータにもある通り、既にあらゆる面でスマートフォンユーザーの存在感は高まっています。

米国では2014年1月の総インターネット接触時間の46.6%はモバイルアプリの利用で、45.1%のデスクトップからの利用を初めて越えました (comScore)。

日本では楽天市場は2013年12月時点で既にスマートフォンからの利用者がPCを上回っていますが、2014年2月にはアマゾン/AmazonやYouTube、ニコニコ動画もスマートフォンからの利用者数がPCを上回りました (Nielsen)。

中国では携帯電話契約者が10億人に達し、既にモバイルからインターネットにアクセスするユーザー数がPCからアクセスするユーザー数を超えています。中国のモバイルコマース市場規模は今年2014年には日本や米国を超え世界一になるでしょう (Alibaba/阿里巴巴)。

このように米国や日本、中国では既にモバイル/スマートフォンシフトの流れは顕在化しており、EC利用に関してもかなりの影響力を持つと考えられます。

上記に関するグラフは「世界的なモバイルシフトを裏付けるデータ」にまとめられています。

 

それでは東南アジアはどうか?

米国、日本、中国のケースは既にPCでのEC市場がベースにありましたが、東南アジアはどうでしょうか。

まず、2012年1年間の各国のインターネット利用率をみてみると、シンガポール、マレーシア、ブルネイ以外は50%をきっており、ベトナム、フィリピン、タイ、インドネシアは15 〜 39% となっています。今後の発展を考えると、まだEC市場の伸びにつながりそうな数値ではあります。

東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォン 1

しかし、自宅からのインターネットアクセスに絞ってみると、同じくシンガポール、マレーシア、ブルネイ以外は、すべて20%以下となってしまします。職場からネットショッピングをするケースもよくあるとは思いますが、自宅でいろいろ考えてゆっくりというわけにはいかないようです。

東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォン 2

次に、固定ブロードバンド回線の利用世帯率をみると、シンガポール以外はほぼ皆無といっていいでしょう。ECにはブロードバンドが必須ではないものの、インターネット接続環境としてはまだまだ遅れていると言わざるを得ません。

東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォン 3

東南アジアのEC市場規模はどこまで拡大するのか」でも参考にしている、主要国別のEC利用者数と購買単価を算出しているeMarketerのレポートをみると、東南アジアのEC市場規模はそれほど増加するとは考えられていません。

おそらくレポート自体がPCベースでの数値の積み重ねのため、上記の通りインターネット普及率が低い状況であれば、どうしてもこの地域のEC利用者数が大きく増加していくことはありません。

それではスマートフォン普及率はどうなっているのでしょうか。以下のグラフは2013年の数値ですが、シンガポールが飛び抜けているものの、フィリピン、マレーシア、タイでは3割を超えています。

これらはほぼ個人用のスマートフォンと思われるので、PCを持っていないもしくは家でインターネットに繋げられない多くの人にとっては、スマートフォンがパーソナルなコンピューターになっているのが現実なのではないでしょうか。

東南アジアでは、インターネットやブロードバンドの普及を待つ前に、中国のようにスマートフォンが先に普及していくと考えられます。

東南アジアEC市場拡大の鍵を握るスマートフォン 4

 

スマートフォン最適化がEC市場規模を爆発的に拡大させる

現状、東南アジアは、まだ日本の楽天やアマゾンでスマートフォン利用者がPCを超えスマートフォン経由の購買が大きく伸びているような環境にはありません。原因としては、通信・決済・物流のインフラが整っていないことが挙げられます。

ただ、これらのインフラが整っているシンガポールでは、いくつかスマートフォン/モバイルコマースのサービスが芽吹いています。「シンガポール発の位置情報ベースのフリマアプリ「Duriana」とは」にあるDurianaやシンガポールのiTunesアプリストアのLifestyleカテゴリ (Top Free Apps) で上位にいるCarousellです。

これら2つはスマートフォンアプリのみでサービスを提供しているCtoCのフリマアプリです。日本でもLine Mallやメルカリ、フリルなど月間流通額が急成長している分野です。

CtoCマーケットプレイス自体は、日本のヤフーオークション然り、米国のEbayやcraigslist、中国のタオバオやインドネシアのTokopediaなど、BtoCのマーケットプレイス (モール) や独自ドメインECよりも先に立ち上がっているクラシックなモデルです。

ここで考えるべきことは、CtoCが新しいのではなく、スマートフォンでモノを買う行為にストレスが無くなり、わざわざPCを使ってモノを買う必要が無くなったということです。もちろん、CtoC取引の信用を運営者が決済の間に入ることなどで裏付けしていることもありますが、ここまでスマートフォンに最適化したユーザー体験を考えたCtoCマーケットプレイスがこれまで無かったともいえると思います。

通常、接触時間が長くよりパーソナルなデバイスはPCよりもスマートフォンでしょうから、そこでスムーズにコトが進めばPCに切り替える必要はありません。日本でもBtoCの楽天やアマゾンはスマートフォンに最適化したユーザー体験を設計した結果利用者数が増えており、Line Mallやメルカリなどは正にそのユーザー体験に焦点を絞ったサービスです。

東南アジアのスマートフォンユーザーによるEコマース利用は上記の通り、通信・決済・物流のインフラの発展に寄るところもありますが、スマートフォンに最適化したユーザー体験を考えたサービスが増えることでEC市場規模が爆発的に拡大するのではないかと考えます。

 

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出典 :
Our Mobile Planet
Internet Penetration in Southeast Asia: Five-Year Growth Trends, 2008-2012
TigerMine Research

 

マレーシアECサイト・モールが実際に提供している決済方法とは

マレーシアにおけるEC決済については、国内ECではクレジットカード、銀行振込みと代金引換(COD)、越境ECではクレジットカードとPayPalが主にユーザーが好んで使っている決済方法とあり、シンガポールとほぼ同じ …

 

シンガポールEC決済はカードと銀行振込が必須、越境ECはPayPalも」では、シンガポールにおけるEコマースでの主な決済方法について説明をしました。

Payvisionの調査レポート「Cross-Border eCommerce in Asian Markets: Singapore and Malaysia」によると、マレーシアにおけるEC決済については、国内ECではクレジットカード、銀行振込みと代金引換 (COD)、越境ECではクレジットカードとPayPalが主にユーザーが好んで使っている決済方法とあり、シンガポールとほぼ同じ状況です。

マレーシアECサイト・モールが実際に提供している決済方法とは 1

次に、マレーシアの主なECサイトやECモールでは実際にどのような決済方法を提供しているのでしょうか。以下が2013年11月時点での各サイトの対応状況です。

マレーシアECサイト・モールが実際に提供している決済方法とは 2上部略称は右記のとおりです。
AA = AirAsia、GSC = Golden Screen Cinemas、LZ = Lazada、ZR = Zalora、IPM = ipmart.com、
SB = Superbuy、PL = Poplook.com、RT = Rakuten、GP = Groupon、LS = LivingSocial

各サイトがどのようなサービスかについては「マレーシアのECサイト・プラットフォームをカテゴリ別に網羅」を参照ください。

マレーシアECサイト・モールが実際に提供している決済方法とは 3

上グラフは、各決済方法が実際にいくつの上記ECサイト・モールで提供されているか (「Yes」の数) を単純にまとめたものです。

前述のマレーシアEコマースでユーザーに使われている決済方法の傾向とよく似ています。オンラインバンキング・銀行振込み (ATM支払い含む) とクレジットカードは、マレーシアのECサイトとしては必ず提供しなければならない決済方法でしょう。

ただ、シンガポールよりもニーズの高かった代金引換 (COD) が2社しか対応していないというのは気になるところです。物流会社に支払う手数料の高さなど、あまりECサイト側では扱いたがらない理由があるのかもしれません。

比較的多くの決済方法を用意している Lazada と ZALORA の現時点での決済画面は以下の通りです。代金引換 (COD / Cash on Delivery) に対応しているのはロケットインターネットが出資しているこの2社になります。

マレーシアECサイト・モールが実際に提供している決済方法とは 4

マレーシアECサイト・モールが実際に提供している決済方法とは 5

 

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出典 :
Cross-border e-commerce in Singapore and Malaysia – ecommerce.milo
What payment methods should you accept as an online merchant? – ecommerce.milo

 

シンガポールEC決済はカードと銀行振込が必須、越境ECはPayPalも

シンガポールECでのオンライン決済について、国内ECではクレジットカードと銀行振込み、越境ECではクレジットカードとPayPalが主に使われています。人口が少ないこともありシンガポールでのクレジットカード普及率は …

 

Payvisionの調査レポート「Cross-Border eCommerce in Asian Markets: Singapore and Malaysia」によると、シンガポールにおけるEコマースでのオンライン決済について、国内ECではクレジットカードと銀行振込み、越境ECではクレジットカードとPayPalが主にユーザーが好んで使っている決済方法だとあります。

シンガポールEC決済はカードと銀行振込が必須、越境ECはPayPalも

人口が少ないこともありシンガポールでのクレジットカード普及率はきわめて高いといわれています。HSBC Credit Card Monitoring Survey 2012によると、一人あたりの平均クレジットカード保有枚数は3.3枚とあり、日本クレジット協会が発表している日本の平均保有枚数3.1枚を上回っています。

クレジットカード決済が必須というのは予想通りの結果ではありますが、シンガポール国内での決済では銀行振込み (おそらくオンラインバンキング支払いも含む) の比率も高いことから、カードのみではなく銀行口座からの振込み (ATM・オンラインともに) にもEC決済は対応させるべきでしょう。

 

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出典 :  Cross-border e-commerce in Singapore and Malaysia – ecommerce.milo