米国ではスマートフォン・タブレットがEコマースの主役になりつつあります。
eMarketerによる、米国のアパレル・アクセサリー小売りによるファッションECでのトラフィック (アクセス数) と売上のデータをデバイス別に見てみると、2012年から2013年にかけて、デスクトップのトラフィックが20%近く落ち、スマートフォンとタブレットが約50%上昇しています。
売上については、デスクトップの落ちは8%ほどですが、スマートフォンとタブレットは60%以上も大きく上昇しています。
2013年でデスクトップのトラフィック比率が59%ですので、おそらく2014年にはスマートフォン・タブレットのモバイルデバイス経由のアクセスが全体の半分を超えるでしょう。
ファッションECの閲覧についてはモバイルデバイス経由がマジョリティになるかと思いますが、売上比率についてはまだ80%がデスクトップ経由ですので、見るのはモバイルデバイス、買うのはデスクトップという購買行動はまだ大きくは変わっていないようです。
ただ、タブレットの売上比率は約15% (スマートフォンの3倍以上) と伸びてきていることから、今後、購買についても特にタブレットの躍進については注目すべきところです。
「米国のECにおけるスマートフォン・タブレットの影響は引き続き大きい」にあるケースでは (データ取得月はともに2013年11月)、タブレット・スマートフォン両方で15%、対象を小売り事業者に絞ると18%でしたので、これらのパーセンテージあたりがほぼ平均ではないでしょうか。
モバイルデバイス経由の売上は伸びているものの、まだデスクトップを超えるところまで見えていない理由について、アンケート結果が出ています。
米国のタブレット所有者に、タブレット経由で買い物をしない理由について聞いたのですが、一番が、デスクトップのブラウザほど、まだタブレットでのショッピング体験は追い付いていないこと、次に、決済方法がタブレットに最適化されていないこと、商品画像が小さいこと、と続きます。
これらの理由は、簡単ではないものの改善が無理というものではありません。実際に、ファッション・アクセサリーのフラッシュセール大手 GILT は、スマートフォンとタブレットのショッピング体験を別物として設計し、ユーザーのショッピング体験を満足させています。
「タブレットが加速させる米国モバイルコマース市場」にある通り、ファッション関連に限らず、タブレットはモバイルコマース市場を牽引しています。今後さらにどこまで伸びていくかが楽しみです。
出典 : Apparel Shoppers Grab Their Tablets – eMarketer